サニーレタスのグリーンは鮮やかで彩りよく盛り付けにも使われます。
お弁当でも、そんな彩りを使いたくなるのですが、少し注意が必要です。
ここでは、お弁当で気を付けること、レタスを入れるときの注意などをまとめました。
お弁当と生もの
基本的に、生ものはお弁当には適していません。
食べる時間が決まっていて、配慮して盛り付けられている仕出し弁当などは、器や保冷条件などを考えて提供されています。
お刺身や天ぷらなど盛り付けられている仕出し料理の例はありますが、おうちで作っている毎日のお弁当は少し勝手が違います。
普段、お刺身を買ってきたら冷蔵庫にいれますよね。
どうしてでしょう?
・鮮度が落ちるから?
・美味しくなくなるから?
お刺身に限らず、食品は時間がたつと傷んでしまうからです。
では、なぜ傷むのでしょう?
それは、微生物が増殖してしまうから。
あまり耳障りはよくないけれど「ばい菌」です。
昨今、コロナ禍では、感染しないための予防として手指の消毒を徹底するようになっていますが、ウィルスだけではなく、日常生活の様々な場所に「ばい菌」も存在しています。
このばい菌は、条件が揃えば勝手に自分で増えていきます。
お弁当という空間は、ばい菌にとって都合のいい環境となります。
お弁当がお昼のヒーローだとしたら、ばい菌はそれを阻止する悪の軍団。
お弁当を送り出す私たちは、この見えない敵にいつも注意を払わなければなりません。
お弁当と生野菜
同じ生ものでも「野菜なら大丈夫だろう」と思いがちですが、「ばい菌」が増殖する条件は栄養分だけではありません。
水分も大きな原因になります。
お弁当箱の中を想像してみてください。
複数の食品が混ざった空気
蓋が閉められ水分が閉じ込められた環境
気温、湿度、水分、栄養分、お弁当箱の中全体が「ばい菌」の好む空間。
生野菜はみずみずしくサラダなどで食べることが多いですが、ドレッシングをかけて少し放置するとどうなるでしょう?
生野菜から水分が出て、しんなりとしてしまいます。
もともと、野菜の表面にも微生物は存在しています。
そして、生野菜は「塩分」に弱い。
塩分によって、ドレッシングをかけた時と同じようにお弁当箱の中に水分が出てきてしまいます。
この水分が、ばい菌の大好物。
作った状態で食べるのと、作って時間をおいてから食べるのとでは菌の増加具合も異なります。
見た目がいいからと、おかずの仕切りに使う危険性はこういう点です。
レタスをお弁当に入れるには
生のレタスをお弁当に入れることをおすすめはしませんが、レタスを入れたから、お弁当がすぐに腐敗するというわけではありません。
傷まない工夫をしてお弁当を詰めることで、ばい菌の増殖を防ぐことができます。
生野菜に合わせた環境でお弁当を詰める
つまり、お弁当箱を冷蔵庫にしてしまうということです。
熱いおかず、ぬるくなったおかず、冷めたごはん、、、温度差のあるお弁当の中身を詰める際、レタスと同じ温度にして詰めてください。
その後、お昼までは保冷剤。
温度変化を起こさないことで、菌の増殖が防げます。
塩分を含むものは一緒に入れない
炒め物や卵焼き、魚の塩焼きなどもそうですが、これらの下に敷いたり、仕切りに使ったりすることを避けて、レタスから水分が出るのを防ぎます。
タレなどは別容器に入れるようにして塩分との接点を無くします。
新鮮な素材を使う
くたびれた野菜は使わずに、お弁当では特に新鮮なものを使うようにします。
おすすめレタスのお弁当
別容器で、新鮮なサラダ弁当にすることで、お弁当でも安心して生野菜が食べられます。
当然、洗った野菜を清潔な状態で詰めてくださいね。
私がOL時代にもっていっていたお弁当を紹介します。
冷しゃぶ弁当
ごはんとおかずは別容器。
新鮮レタス、冷しゃぶ、トマトなど、冷たいおかずを詰めます。
タレ(ドレッシング)はゼラチンで固めたポン酢ジュレにすると、汁漏れの心配もありません。
ジュレは冷凍しておけるので、保冷剤の代わりにもなります。
夏の暑い時期は、冷たいおかずのお弁当もおいしいです。
野菜サラダのお弁当
好みの野菜やサラダチキンなどの具材を入れたお弁当に保冷剤。
主食はパンやおにぎりで。
ドレッシングやソースは別容器にして、パンなら食べるときにサンドにしてもいいと思います。
主食と別にすること、サラダはサラダとして持っていくことで水分が移ることなく野菜も新鮮な状態で食べられます。
ダイエット中なら、チキンのサラダだけ弁当でも十分かもしれませんね。
生野菜にこだわらなければ、茹で野菜のサラダ弁当もおすすめです。
我が家の場合
お弁当にレタスを入れることはありませんが、あらかじめ、水分を除くひと手間を加えるようにしています。
塩もみしたきゅうりや酢漬け、茹でキャベツなど。
何を入れるにしても、水分はしっかり絞ってから入れます。
生野菜を生野菜のまま入れるには、少し注意が必要ですが、何が危険かをわかっていればできる工夫はあります。
おなか痛くならないし大丈夫、と過信することもありますが、お弁当を食べる人の体調によって、それが引き金になることもあるので、誰かのお弁当を作るのであれば、やっぱり油断せずにいてほしいと思います。
生野菜でお弁当が腐ってしまった例
友人がテイクアウトのお弁当を買ってきてくれたときのことです。
お弁当を買ってから食べるまでの時間は4時間くらい。
まさか、当日買ったお弁当が腐るなんて思ってもいません。
蓋を開けると、すぐに異臭がしました。
とんかつの下に千切りキャベツが敷いていて、副菜が少し。
よくあるとんかつ弁当です。
腐っていたのは千切りキャベツでした。
テイクアウトのお弁当には30分以内にお召し上がりください、と注意書きがあります。
温かい出来立てを食べるためのお弁当だからです。
千切りキャベツの上に、揚げたてのとんかつを置いて、温かいご飯と一緒に容器に入っています。
季節が夏だったということや、それ以外の条件も重なったことが原因だと思いますが、生野菜の上に揚げたてのカツを乗せると、たった4時間でも生野菜が腐敗してしまうことがある、ということです。
お弁当にレタスはダメ?
この疑問に対して、いろいろと書いてみましたが、気温、湿度、おかずの温度差、水分など、お弁当は、ばい菌が増殖する環境が整ってしまう、ということです。
気温の高い時期はもちろん、普段からお弁当を作ってから食べるまでの保存状態を加味して、必要であれば、今後、安心できる対策を考えてみてください。
お弁当は作った時が完成ではなくて、食べるときが完成です。
安全安心と美味しさへの配慮がお弁当で一番大切なことだと思います。